2月19日。酒仕込み2日目です。
昨日は、踊り(おどり)と言われ、酵母の増殖をはかる目的で仕込みが1日お休みの日でした。
…さて、本日のお手伝い渡邊。朝の挨拶もそこそこに先日の復習をすべく釜場へ直行。おぜんこを見つけると働き(はたらき)さんの後に続き配膳します

…そして甑は今日も勢いよく蒸気を上げています。冷静に見ると、この饅頭みたいな布蓋はすべて蒸気の塊であり、圧力なのですから、、、すごいです。

酒屋米の蒸し(上)
今日の蒸し(ふかし)は、お待ちかね酒屋のお米です。甑の蒸かしたては蒸気にまみれてよく見えませんね、どんな手触りなのかが楽しみです。
蒸し取り(右)
本日のお手伝い渡邊、何かが違います。なんと蒸し入れた飯試を一人で担いで運んでいます。
…おぜんこに広げる作業はおぼえたようですが、終わったらちゃんと片付けて下さい…通行の邪魔です。

冷し
今日は頭の小野寺さんがお休みなので、釜屋さんも冷しへお手伝いに来てくれました。
それでもこの人数、、、少ないです。
…連携プレーも慣れてきました。蒸かしの表・裏面の温度がある程度下がると、働きさんと向かい合わせになり、手元の麻布の端を持って蒸しを交互にひっくり返します。そしてまたおぜんこ全体に広げていきます。この繰り返し。

温度調整
これが酒屋(横田)の蒸米です。真っ白くて綺麗です。橋本杜氏曰く、普段使いの酒米より白いそうです。手触りは酒米の方がサラサラしてますが、それでも手に付かない不思議な感じです。
蒸しはここで暫く冷した後、前回同様に酒母室へ運び込みます。…と、待っている間に酒母室の作業が始まります。

仲添え仕込みと名札
今朝の桶はこんな状態です。薄らですが、ふわふわしたような表面が見えます。香りは、麹菌のツンとした香りでしょうか?芳醇な、、、という感じはしません。

…桶の横を見ると、小さな貼紙が。
なるほど、これは
29号樽なんですね、、、でも大船渡って。陸前高田の間違いでしょう。。。

水と片手桶(かたておけ)
今日仕込む水を用意します。やはり予め乳酸瓶に入れてありました。でも、なぜ片手桶に移すのですか?
実は、瓶に入っているすべてを使う訳ではなく、分量計算し易いように乳酸瓶を使っているだけで、水の持ち運びには片手桶を使うのだそうです。

…昔は木製でしたが、現在はこのようにプラスチック製なのだそうです。確かに軽いです。

麹と温度管理
初添の日に仕込んだ麹が登場です。ちなみに、ここは麹室でないので、渡邊もお手伝い。

…そして、櫂棒で斑なく混ぜて温度と分量を計ります。現在は10.5℃。橋本杜氏が使う計測機、一見すると定規ですが、使い方が普通ではないようではっきりとは理解できませんでした。イメージでは、桶天場から仕込面までの距離を計る事で、桶内の分量が解るかと思いきや、桶天場と定規のゼロの位置がずれていることに気付き、一体何処にあてているのだろうか??と疑問が残りましたが、橋本杜氏の真剣な眼差しに、『…ゼロの位置ズレてますよ。』とは言えませんでした。

蒸米と仲添え仕込み終了
先程、外気で冷しておいた蒸米を桶に加えます。30キログラム程が入りました。渡邊、櫂棒を持つ手に力が入ります。働きさんのアドバイスで、米粒を潰さないように、と軽く指導されながらカメラマン渡邊も後に続きます。
桶の中はこんな感じ。先日とは違い軽い水っぽさが感じられません。これで、本日酒母室での仲添え仕込みは終了です。

麹蓋と麹
続いて、麹室にお邪魔します。これは麹室に置いてある麹蓋。よく見ると、蓋の中に温度計があるようです。現在37℃を表示しています。
…麹屋さんが作業を始めました。まず、蓋を取って順番に蓋枠から麹を出して形を崩していきます。柔らかそうで綺麗なうねでしたが、崩してみるとモロモロと別物に見えてきました。

洗米と酒屋の米
これ、何だか解りますか?
引いてみると下の洗米機。そう、これが洗米中のワンカット。横筒の中はこんな感じにグルグル回ってます。そこに上から水が、下から米が入って来ます。本当にこれだけでいいのでしょうか??

麹つくりと盛り
床で仕込んだ種付け米は1晩床で過ごした後、翌朝には着せ布を取り、この麹蓋の中へ盛り分けられます。この作業が盛り(もり)と言って、蓋に盛られた麹にうねを数本作ってから、ここでまた一晩過ごします。その間に麹の温度は約40℃まで上がるそうです。

…そして今日は、その麹が麹室から出る日。出麹(でこうじ)という作業です。

洗米作業
この洗米機不思議な形をしています。しかも、あっちこっちから水や米が出て来ます。今日はこれから、明日の仕込みに使う米を洗います。
…洗米機の先から出て来ているのは洗いたてのお米ですね。桶の中はどうなっているのでしょう。
おや?これは、酒屋のお米ではないでしょうか?

出麹(でこうじ)支度
麹蓋に盛られていた麹を床の麻布に取り出します。布の質が違うようですね?用途別に使い分けるそうです。

…麹は、麹屋さんの手によって素早く麻布で包まれ、室から出る時を待ちます。

洗米機械
左奥に台のような物が付いてます。なんでしょうか?
…ここは台ではなく、米を入れるところです。
この吸い込まれているお米は、酒屋の米ですか?
はい、そうです。ここから下に落ちて水溜まりの所に行きます。

枯らし場(からしば)
麹屋さん、包み作業を終えて何処かへ行きました…
ここは、すぐ隣にある枯らし場と呼ばれるところ。ここで何が始まるのでしょうか?

釜屋さんとお話
洗米機の下にちょこんと置いてあるザル。なんと!ここからも洗いたてのお米が出てきました。

…釜屋さんは、それを持ち上げ桶の中へ入れました。一粒残らず綺麗に洗いました。
そこでの会話で、このお米は虫も病気もしていない綺麗なお米ですね。珍しいですよ。。。とお誉めのお言葉。

枯らし
出麹は枯らし場に運ばれると、すぐ包みを解かれます。
そして、麹蓋同様に台いっぱいに広げられ、大きなうねを数本作ります。

洗米
釜屋さんが誉めてくれたので、大きくしてみました。白くて綺麗でしょうか??

酒屋の酒蔵

花泉の磐乃井酒造

仕込み(初添え)

仕込み(留添え)

仕込み(12日目)

仕込み(雑 学)

枯らし場での作業を終えた麹屋さんに、この麹はいつ使うものですか?と尋ねると。ここで一晩寝かせてから明日の留添え仕込みに使います。と言われました。
…なるほど、確かに初添え・仲添えの時に桶に入った麹に近い雰囲気でした。美味しそうな御飯ではなく、パサパサポロポロした感じが似てます。

contents