酒仕込みを終え、しばし休憩。時刻は午前10時半。これから、片づけが始まります。
釜屋さんが、動き始めました。

これ、何だか解りますか??
…甑の中です。底には穴が一つ空いていますが、ここから釜の蒸気が上がってきます。この上に簀子を敷き、仕切布に包まれた洗米を入れ蒸します。
釜屋さん、この甑をひょいと持ち上げるとゴロゴロ転がして壁に立て掛けました。

釜屋さん、その後(上)
仕込終えた釜は、甑を片付け残り湯で使用した道具を熱湯消毒します。
…お手伝い渡邊、熱湯消毒した麹蓋を受取り台車に積みます。
消毒薬品(右)
通常は薬品を使い殺菌消毒します。ホルマリンとかですね
…熱湯の中に少量の薬品を入れ、細部の金物まで消毒です。

干し場(上)
ここは裏庭、出荷場前の物干場。お手伝い渡邊、馴れないサイズの洗濯物に戸惑っています。ちゃんと干せるのでしょうか?
…心配で様子を見に来た麹屋さんの指導でなんとか

洗い場(上)
道具洗いの後は、次に布地を洗います。
釜場の隣が洗い場、釜の熱湯を桶に汲み、一枚一枚櫂棒で押し洗いします。櫂棒はこんなところでも活躍します。
…洗い終えた洗濯物は一輪車に積み上げられ、外の干し場へ運びます。この天気ならすぐに乾きそうです。
洗濯終了(右)
毎日いい天気で、最後まで気持ち良くお手伝いができました。お手伝い渡邊もすっかり慣れた手付きで仕切布や着せ布、麻布を順に干していきます。
この布は絞らずに干すとのことですが、干し終えると端からポタポタポタ…と水があっちこっちから流れ始め。イマイチ動きにくく、扱いにくい感じがしました。

釜場掃除
この機械は??しかもあっちこっちからニョキニョキホースが出ていますが。。。。赤いホースの先端は釜の中へ。
…麹屋さんが電源を入れるとホースから湯が出てきました。なるほど、釜の湯は次に釜場床掃除に使われるのですね。ちなみに、釜の湯で床を掃除すると真冬でも翌朝には乾いているそうです。

大釜掃除
釜場掃除で使われた湯がほとんどなくなると、こんな感じで釜底が表れます。すると釜屋さん、、、デッキブラシと湯がすり(ゆがすり)を手に空釜にひょいと入ってしまいました。
…なるほど、こうやって大釜掃除するのですね!!結構深いんですね、釜屋さんの肩上しか出てません。

釜掃除終了(左)
大釜掃除が終わると、再び水を入れ湧かします。これで釜場作業の終わりです。ちなみに奥の小釜は脇釜(わきがま)と言い、湯沸かし専用なので常時湯が湧いています。
…水を入れる時はこのように横穴にホースを刺していれます。10分もかからずに満水になりました。

掃除道具(上)
いろいろあります。。。。右手前の木製品は、湯がすりと言い、釜底に溜った湯を残さずすくい取るための道具です。その奥のタワシの下に隠れている竹製品が、簓(ささら)と言い、樽木の表面を目に添って洗うタワシのような役目のミニ竹ホウキ。

掃除機
こんなものもありました、
高圧洗浄機。一体何処に使うのか?と思いきや、
…槽掛け道具の細かな掃除に使います。その他にもいろいろ使えるそうで、時間が無い時に出動します。

出荷場と冷蔵・保管庫
お昼過ぎ、阿部社長が社内を案内してくれました。外はとてもいい天気です。正面が出荷場兼瓶詰場、右が駐車場、左のコンテナが冷蔵・保管庫です。

…一瞬姿を消した阿部社長が持ってきたのは、、、鍵ですか?
冷蔵庫の中を見せてくれるそうです。

蔵の外
ここは裏庭。反対側は出荷場でもあります。
左に見えるのが物干場、、何か落ちてるみたいですね。干し方が甘いのは、お手伝い渡邊でしょうか?
…阿部社長、こちらへどうぞ、と先を急ぎます。渡邊も後に続きます。

冷凍庫の中
お邪魔します。。カーテンを潜るとそこはマイナス5℃の世界。寒いです。
…この樽は何ですか?これは長期熟成させるものです。温度を低くすることで、酒の酸化を抑えつつアルコールと水を一体化させることができます。。。なるほど。

…(下)樽に入れているものの他に、瓶詰めをして冷蔵庫並みの一定温度で寝かせることもできるそうです。どちらも酸化を抑えて風味を引出す一般的な方法です。

通路兼倉庫
奥に何かあるようです。。。阿部社長、どんどん奥へ進みます。ちなみにこの通路、右に酒米、左に
木棚、下に這うのはホースのようです。
些細なスペースも無駄にしません。

貯蔵庫
ここが一番奥の蔵、貯蔵庫と言います。仕込んだお酒を長期間寝かせる所です。仕込蔵から貯蔵庫までの距離が約50M。どうやって仕込んだ醪を運ぶのか?素朴な疑問が過り、阿部社長にお伺いしました。通路の壁に渡されている木棚のようなもの、、、そこにホースを掛けここまで引くのだそうです。なるほど。。。
…ついでに、お酒の香り方なんてものを教えていただきました。樽内の縁より下に手を入れ、水を掬うように上方に仰ぐと、香りの塊が鼻にあたります。その香りを嗅ぐと、正確な香りが解るそうです。
分解・発酵から出されるガスは空気より重く、樽の中に溜まるのことから、この様に香りを嗅ぎます。確かに、樽上からでは微かな香りしか解りません。ここまではっきりとした香りがあるとは驚きです。

酒屋の酒蔵

花泉の磐乃井酒造

仕込み(初添え)

仕込み(仲添え)

瓶詰め
倉庫の一角に瓶詰場がありました。カタログには載っていない商品があちこちゴロゴロ…小さな蔵は、何でも一所懸命です。
明日は年に一度の新酒まつり。皆さん、来場者のお土産作りに忙しそうでした。

仕込み(留添え)

仕込み(12日目)

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